名古屋市瑞穂区の皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科

酒さ・赤ら顔|TANAKA SKIN CLINIC|名古屋市瑞穂区の皮膚科・美容皮膚科酒さ・赤ら顔|TANAKA SKIN CLINIC|名古屋市瑞穂区の皮膚科・美容皮膚科

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酒さ・赤ら顔 ROSACEA

赤ら顔について

赤ら顔とは

近年「酒さ」のワードが認知されるようになってきましたが、赤ら顔=酒さではありません。
赤ら顔をきたす病気として、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膠原病、接触性皮膚炎、花粉皮膚炎など多岐にわたります。それぞれの疾患はオーバラップして存在することもあり、それが酒さの診断を難しくしている所以でもあります。
赤ら顔治療のポイントは、赤ら顔の病態を見極めて、病態にあった治療法を選択することです。

酒さについて

酒さとは

酒さ (Rosacea) は、顔の赤みや血管の目立ち、ポツポツとしたできものなどを特徴とする慢性の皮膚疾患です。 紫外線やアルコール、香辛料などによって悪化します。

酒さの肌質

酒さの患者さんの肌質は

  • 角層水分量が少ない
  • 経皮水分蒸散量(TEWL=trans epidermal water loss)が高い=スキンバリア機能の低下
  • 皮脂量は一定の見解はなく、個人差がある
ということがわかっています。
簡単にまとめると敏感肌・乾燥肌であることが言えます。

原因

酒さの原因ははっきりとは解明されていません。遺伝的な要因、すなわち家族の方で酒さの方がいるとなりやすかったり、自然免疫機能の異常も最近ではわかってきています。

主な症状

酒さを考える症状として以下があげられます。 その診断基準として明確なものはありませんが、2002年に欧米の皮膚科医を中心とした酒さエキスパート集団ational rosacea society expert committee(NRSEC)により酒さの症候と分類がまとめられ、本邦でもこれを基に診断しています。

主症状(1つ以上の存在)

  • flushing
    (一過性の顔面潮紅)
  • Nontransient erythema
    (持続性紅斑)
  • Papules and pustules
    (丘疹と膿疱)
  • Telangiectasia
    (毛細血管拡張)

副症状

  • Burning or stinging
    (火照り感、刺すようなヒリヒリ感)
  • Plaque
    (紅色局面)
  • Dry appearance
    (乾燥様外観:粗造・鱗屑)
  • Edema
    (浮腫)
  • Ocula manifestations
    (眼の症状:充血・角膜障害など)
  • Peripheral location
    (顔面以外の末梢での酒さ様症状)
  • Phymatous changes
    (腫瘤様変化)

J Am Acad Dermatol 46, 584-587(2002)
Barakji YA et al:JAMA Dermatol 158:617,2022
主症状として一時的な赤み、ずっと続く赤み、ポツポツ、毛細血管拡張の4つがあり、どれか一つでも認めれば酒さを考えます。 症状は酒さに併存しやすい症状ですが、認めなくても酒さと診断できます。

酒さの分類

酒さの分類ですが、症状によって第1度~第4度に分類されます。第1度酒さは日本を含めて各国でも最も頻度が高いサブタイプとなっています。

第1度酒さ
(紅斑毛細血管拡張型酒さ)

紅斑、毛細血管拡張、潮紅、火照り感

第2度酒さ
(丘疹膿疱型酒さ)

丘疹、膿疱

第3度酒さ
(瘤腫型酒さ)

鼻部を中心とした腫瘤を形成

第4度酒さ
(眼型酒さ)

眼瞼・眼球結膜の充血や

酒さの治療

酒さの治療は内服、外用、レーザー治療などさまざまですが、保険適応のものは一部になります。治療の進め方はまずは保険適応の病態がある場合はそちらの治療をはじめてそれでも効果が不十分な際は自費の治療も提案していきます。

すべての病型に共通するスキンケア

  • 保湿性の高いもの、バリア機能を改善するスキンケアを選ぶ
  • 刺激のあるものは避け、低刺激なアイテムを選ぶ
  • 日焼け止めはしっかり塗る

酒さの治療法

外用療法

メトロニダゾール(ロゼックスゲル®︎) 

【保険】
保険適応で処方できるロゼックスゲルは0.75%のメトロニダゾールです。抗菌作用だけではなく、抗炎症作用があります。2022年から本邦で保険適応になっています。丘疹・膿疱(ポツポツ)だけでなく、紅斑(赤み)にも効果があると言われています。

アゼライン酸

【自費】
15%のアゼライン酸は0.75%のメトロニダゾールゲルよりもポツポツ、赤みの改善に効果的との報告があります。製品によってアゼライン酸の濃度が異なること、また濃度が高くなると刺激も増すので使用に注意が必要です。

イベルメクチンクリーム

【自費】
イベルメクチンは抗寄生虫薬で抗炎症作用も持ち合わせています。 1%のイベルメクチンクリームは0.75%メトロニダゾールゲルよりも効果が高いと報告があります。 第2度の症状、すなわちポツポツの治療に主に用いられます。

内服療法

抗菌薬

【保険】
テトラサイクリン系の抗菌薬には抗菌作用だけではなく、抗炎症作用があります。主にポツポツの治療に使用されます。

レーザー治療

光治療(ステラM22)

【自費】
赤みに効く機器治療として光治療(IPL)、パルス色素レーザー、NdYAGレーザーが挙げられますが、当院では光治療を行なっています。全体的な赤み、毛細血管拡張に対してハンドピースやパルス幅を調整して治療を行います。一回で治療を終えることは難しく、1ヶ月に一回など定期的に治療を継続する必要があります。

導入治療

メソナJ

【自費】
抗炎症作用を有し、皮膚の保湿力も高めるビタミンB12,赤みを抑える効果のあるビタミンCなどを配合したメニューで赤みを鎮静化させます。2週間から1ヶ月に一回程度がおすすめです。

注入治療

ボライト

【自費】
肌の乾燥が原因の場合は架橋ヒアルロン酸であるボライトの注入によって乾燥が抑えられ、赤みが軽減します。

プルリアルデンシファイ

【自費】
有効成分はポリヌクレオチドの抗炎症作用によって赤みの改善が期待できます。またコラーゲンの生成を促進することで、毛穴の改善効果、肌のハリ感や透明感、シワの改善などの効果もあわせて期待できます。