赤ら顔とは

酒さと赤ら顔の違い
赤ら顔=酒さではありません
近年、「酒さ」(Rosacea)というワードが認知されるようになっていますが、「赤ら顔=酒さ」ではありません。赤ら顔を引き起こす疾患は多岐にわたります。
例えば、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、膠原病、接触性皮膚炎、花粉皮膚炎などがあり、これらの病気はオーバーラップすることもあります。そのため、酒さの診断が難しくなることがあります。
赤ら顔の原因と診断
酒さの原因はまだはっきりとは解明されていません。遺伝的側面や、自然免疫機構の異常が関与していると考えられています。 赤ら顔が続く場合は、その病態に合わせた治療を行うことが重要です。まずは、赤ら顔の原因を見極め、適切な治療法を選択することが治療のポイントです。
酒さ (Rosacea) とは
酒さ (Rosacea) とは
酒さは、顔に赤みや血管の目立ち、ポツポツとしたできものが現れる慢性の皮膚疾患です。顔の中心部(特に頬や鼻)に現れることが特徴で、進行することで炎症や膿疱、さらには皮膚の肥厚を引き起こすことがあります。一般的に中年以降にしっかりとした症状として現れることが多いです。
酒さを悪化させる要因
紫外線:日光に当たることで症状が悪化します。
アルコール:特に赤ワインやビールなどが症状を引き起こすことがあります。
香辛料:辛い食べ物や香辛料が引き金となることもあります。
ストレスや過労も悪化因子となることがあります。
寒暖差:冬の寒い外から暖かい室内に入った際に赤くなりますのでマスクをして寒暖差をつけないようにしましょう。
ただし、マスクもずっとつけていると熱がこもるので酒さ悪化の原因になります。
酒さ患者の肌質
酒さの患者の肌質には以下の特徴が見られます:
角層水分量が少ない:乾燥しやすく、肌のバリア機能が低下しているため、外的刺激に敏感です。
経皮水分蒸散量(TEWL)の増加:肌から水分が蒸発しやすく、乾燥が進みやすい状態です。スキンバリア機能が低下していることが示唆されます。
皮脂量に個人差:皮脂分泌が過剰または不十分である場合がありますが、一定の見解はありません。
これらの特徴から、酒さ患者の肌は敏感肌や乾燥肌であることが多いと言えます。
酒さ・赤ら顔の治療
酒さの治療は内服、外用、レーザー治療などさまざまですが、保険適応のものは一部になります。 当院の治療の進め方はまずは保険適応の病態があればそちらの治療をはじめてそれでも効果が不十分な際は自費の治療も提案していきます。
酒さの治療法総論
保険治療の酒さ・赤ら顔の項目でも記載しましたが、こちらでは自費診療メインの解説をいたします。
外用療法
メトロニダゾール(ロゼックスゲル®︎)
【保険】
保険適応で処方できるロゼックスゲルは0.75%のメトロニダゾールです。抗菌作用だけではなく、抗炎症作用があります。2022年から本邦で保険適応になっています。
丘疹・膿疱(ポツポツ)だけでなく、紅斑(赤み)にも効果があると言われています。

アゼライン酸
【自費】
15%のアゼライン酸は0.75%のメトロニダゾールゲルよりもポツポツ、赤みの改善に効果的との報告があります。
製品によってアゼライン酸の濃度が異なること、また濃度が高くなると刺激も増すので使用に注意が必要です。

イベルメクチンクリーム
【自費】
イベルメクチンは抗寄生虫薬で抗炎症作用も持ち合わせています。
1%のイベルメクチンクリームは0.75%メトロニダゾールゲルよりも効果が高いと報告があります。
第2度の症状、すなわちポツポツの治療に主に用いられます。

内服療法
抗菌薬
【保険】
テトラサイクリン系の抗菌薬には抗菌作用だけではなく、抗炎症作用があります。
主にポツポツの治療に使用されます。
レーザー治療
光治療(ステラM22)
【自費】
全体的な赤み、毛細血管拡張に対して
ハンドピースやパルス幅を調整して治療を行います。
一回で治療を終えることは難しく、2〜4週間に一回など定期的に治療を継続する必要があります。

導入治療
メソナJ
【自費】
抗炎症作用を有し、皮膚の保湿力も高めるビタミンB12,赤みを抑える効果のあるビタミンCなどを配合したメニューで
赤みを鎮静化させます。2週間から1ヶ月に一回程度がおすすめです。

注入治療
マイクロボトックス
【自費】
マイクロボトックスとは皮膚の浅いところにボトックスを注入していく方法です。
酒さの原因の一つとして異常な血管神経シグナルが発生するためと言われています。
ボトックスにより酒さの赤みが改善するという報告があり、血管シグナルを制御するためと考えられています。

ボライト
【自費】
肌の乾燥が原因の場合は架橋ヒアルロン酸であるボライトの注入によって乾燥が抑えられ、赤みが軽減します。

プルリアルデンシファイ
【自費】
有効成分はポリヌクレオチドの抗炎症作用によって赤みの改善が期待できます。またコラーゲンの生成を促進することで、毛穴の改善効果、肌のハリ感や透明感、シワの改善などの効果もあわせて期待できます。

当院の赤ら顔治療戦略
当院のポイント
原因の追求無くして治療は進められず。原因をまず一番先に考えます。 各種機器、導入治療、注入治療を併用してその方にあったアプローチ、治療を選択いたします。 保険治療、スキンケア指導、美容施術と3本柱で治療を行います。
ステラM22:光で血管を引き締め、赤ら顔を改善
ステラM22は光治療です。日本皮膚科学会のガイドライン、アメリカのNational Rosacea Society Expert Committee のガイドラインでも光治療は赤ら顔の治療の選択肢の一つとして推奨されております。
その作用機序は
①光エネルギーを利用して皮膚にある血管をターゲットにし、血管を収縮させて目立たなくする働きがあります。
②原因の一つとして考えられている【自然免疫機構の異常】として肥満細胞の活性化が考えられていますが、その肥満細胞の活性を抑える働きがあると考えられています。
ステラM22は、強力で精密な光照射により、顔に現れる赤みや血管の拡張を効果的に改善することができます。
ステラM22の強み
他の光治療の機器と違いその優位性が示されているステラM22。具体的には9種類の波長を選択できること、エネルギーが減衰しないAOPTテクノロジーで効果的な照射の強さを維持できること、またパルス幅、パルス数が選択できることです。
TANAKA SKIN こだわりの照射法
一般的に使用される590nmの波長だけではなく、530ー650&900ー1200のVascularフィルターを使用します。またパルス幅やパルス数も調整して 全体的な赤み、毛細血管拡張などそれぞれの病変に合わせて設定をカスタマイズして行います。
治療の特徴
・赤ら顔の原因となる血管をターゲットにし、血流をコントロール
・肌へのダメージが少なく、ダウンタイムが短い
・数回の治療で改善が見られる
推奨頻度
赤みが落ち着くまでは2〜4週間に一回、その後は赤みの状態によって3ヶ月から半年に一回程度を推奨。
メソナ:肌に直接栄養分を届け炎症を抑える
メソナJでは、エレクトロポレーション技術を活用し、肌細胞に微細な電気的な衝撃を与えることで、細胞膜に一時的な通り道(ポア)を開きます。これにより、有効成分を効率的に深層まで届けることが可能になります。 針を使わず、電気的な力で成分を導入するため、肌に優しく、痛みがほとんどありません。
メソナJの強み
エレクトロポレーションはたくさん機器がありますが、その中でもメソナJは世界で初めて国産に成功した経皮導入機であり、医療機関専用として開発された経皮導入機です。日本国内で品質規格(JIS規格、EMC試験等)にも合格している唯一の経皮導入機です。 また導入薬剤も専用のものを使用しており、その種類は10種類以上あります。その中でも抗炎症作用を有し、皮膚の保湿力も高めるビタミンB12や赤みを抑える効果のあるビタミンCなどを配合したメニューも取り揃えております。
治療の特徴
・肌に直接有効成分(抗炎症作用、保水力アップ、赤みを抑える作用)を浸透させ肌自体に栄養を与える治療法
・従来のイオン導入ではできなかったヒアルロン酸やコラーゲンなどの分子量の大きい成分や脂溶性成分も肌の深部まで導入可能
・痛みがなく、初めの一歩として開始しやすい治療
・即効性あり、施術直後から赤み軽減
推奨頻度
2〜4週に一回
マイクロボトックス
マイクロボトックスとは、極めて浅い層にボツリヌストキシンを微量ずつ注入する治療法です。一般的な筋肉に注入する方法とは異なるため筋肉への影響はありません。
酒さの原因の一つとして自然免疫機構の異常、すなわち異常な血管神経シグナルの異常が挙げられます。少し難しい話になりますが、具体的には酒さの患者さんの真皮には肥満細胞がたくさんあると言われており酒さ患者さんの真皮での炎症反応に肥満細胞が関連していると報告があります。
また、神経から放出されるアセチルコリンなどの物質は血管拡張の引き金となる物質とも言われています。
ボトックスの働きは
①肥満細胞の活性化を抑える
②血管拡張のシグナルとなる物質を抑えることで赤みを改善すると考えられています。
マイクロボトックスの強み
上記理由から赤ら顔の根本原因にアプローチすると考えられています。また、毛穴縮小、皮脂抑制、肌質改善効果が同時に得られ、美肌的なメリットも兼ね備えています。
治療の特徴
・症状が気になるところに全体的に浅く注射を行う治療法
・ボトックスですが、通常筋肉には影響を受けません。併せて毛穴縮小、皮脂抑制などの改善効果もあります。
・極細針を使用してダウンタイム軽減に努めます。
推奨頻度
ボトックスの効果は3、4ヶ月程度で切れるため、平均4ヶ月程度の治療が必要です。
プルリアルデンシファイ:肌の修復力を高め、赤ら顔を和らげる
プルリアルデンシファイはルクセンブルクに本社を置くMD Skin Solutions社が開発したCE(EU適合性)承認を得ている注入製剤です。 有効成分はすなわちポリヌクレオチドは肌の修復や再生を促し、赤ら顔に伴う炎症や乾燥を軽減します。皮膚のバリア機能を強化し、血管の拡張を抑える効果があります。特に敏感肌の方や乾燥肌に悩む患者様におすすめです。
プルリアルデンシファイの強み
ヒアルロン酸単独、ポリヌクレオチド単独の製剤もありますが、両者が配合されております。それによってと保水性+抗炎症を両方兼ね備えた赤ら顔治療の理にかなった注入製剤です。 また従来そのような製剤もありましたが、プルリアルデンシの特徴はマンニトールが配合されていることです。 それによって抗酸化作用の強化、ヒアルロン酸の分解を抑制する効果もあり優れている点です。
治療の特徴
・症状が気になるところに全体的に皮下注射を行う治療法
・ヒアルロン酸+ポリヌクレオチドと保水性+抗炎症と赤ら顔治療の理にかなった注入製剤
・歴史も長く、CE承認も取れていて安全性が高い
・炎症を抑えるとともに、乾燥肌や敏感肌に効果的
推奨頻度
3、4週間に一回をまずは3回程度
その後は赤みの症状に合わせて3ヶ月から半年程度に一回を推奨。
ボライトXC:肌の保水性を高め、炎症に強い肌を作る
ボライトはアラガン社の厚生労働省承認であるヒアルロン酸製剤ジュビダームシリーズの中でも最も柔らかいもので、肌質改善に使用されます。
有効成分は架橋ヒアルロン酸です。ヒアルロン酸には保水性があり、注入することで肌の保水力を高めます。
前述した通り、酒さの方の肌の特徴として乾燥肌、敏感肌があげられるため根本の肌質から改善して、赤みを悪化しにくくする治療法です。
また針の刺激によりコラーゲンやエラスチンも増加することがわかっており、赤みの改善だけではなく、毛穴の改善やハリ感アップにも繋がります。
ボライトXCの強み
厚生労働省承認のジュビダームシリーズの安全性の高いヒアルロン酸です。またその強みは「治療効果の持続期間の長さ」です。保水力は平均半年程度続きますので、一回施術をすると頻回に受診して施術を受けなくて良いメリットがあります。
治療の特徴
・症状が気になるところに全体的に皮下注射を行う治療法
・架橋ヒアルロン酸で、他の製剤よりも保水性が優れている
・肌の保水力を高めて、根本の肌質から改善する治療法
推奨頻度
9ヶ月程度保水力が保たれると言われていますが、実際には半年に一回程度注入するケースが多いです。
どの治療から始めたらいいですか?
VISIA,ダーモスコープで肌状態の確認と、自覚症状なども確認しながら治療の方針を医師が決定いたしますのでご安心ください。
スキンケアと併用できますか?
はい、併用は可能であり、相乗効果も期待できます。
酒さ患者さんは乾燥肌で敏感肌なので、基本はスキンケアでそこから適切な治療に進んでいきましょう。
今まで他院で光治療をしましたが、効果がありませんでした
光治療といっても機械によってスペックが全く異なります。当院のステラM22は 一般的に使用される590nmの波長だけではなく、530ー650&900ー1200のVascularフィルターを使用します。経過や症状の強さによって波長のフィルターを使い分けます。
ダウンタイムはありますか
治療方法によって異なります。 メソナは一般的にダウンタイムがほとんどなく、マイルドな治療と言えるでしょう。注入系は針を刺すので内出血など出た場合は1.2週間程度消退するのにかかります。大切なご予定がある場合は避けていただくのが安心です。
酒さにもマイクロボトックスは効果がありますか?
マイクロボトックスは皮膚の自律神経に作用し、赤み・ほてり・テカリなどを抑える効果があるため、酒さの「紅斑性酒さ」や「脂漏性のある混合型」に適応することがあります。ただし、炎症が強い場合や膿疱を伴う「膿疱性酒さ」では、他の治療(内服や外用)が優先される場合があります。
光治療とマイクロボトックス、併用できますか?
はい、併用可能で、相乗効果が期待できます。
たとえば、まずIPLで血管の目立ちを軽減し、その後マイクロボトックスで皮脂や火照りを抑えることで、赤ら顔の多角的な改善が可能になります。
同日可能ですので、ご相談ください。
料金表
メニュー | 単位 | 価格 |
---|---|---|
額、眉間、鼻根、バニーライン、目尻、顎、口角、ガミースマイル1部位につき | - | 22,000円 |
オーダーメイド ボトックス (アラガン社製) (50単位までを医師が判断した注入部位・単位数で注入) | 50単位まで | 77,000円 |
エラボトックス (アラガン社製) | 50単位 | 55,000円 |
エラボトックス (アラガン社製) | 30単位 | 33,000円 |
リフティング ボトックス(顔+首) | 50単位 | 66,000円 |
リフティング ボトックス(顔+首) | 75単位 | 88,000円 |
わきボトックス (アラガン社製) | 50単位 | 55,000円 |
わきボトックス (アラガン社製) | 100単位 | 88,000円 |
肩ボトックス (アラガン社製) | 50単位 | 44,000円 |
肩ボトックス (アラガン社製) | 100単位 | 77,000円 |
マイクロボトックス (皮脂抑制・毛穴・赤ら顔) | 10単位 | 27,800円 |
マイクロボトックス (皮脂抑制・毛穴・赤ら顔) | 20単位 | 44,000円 |
マイクロボトックス (皮脂抑制・毛穴・赤ら顔) | 50単位 | 66,000円 |
※表示金額は全て1回分の税込み価格です
※針代・施術代込みの料金となります
メニュー | 範囲 | 価格 |
---|---|---|
ナース施術 | ||
‐ | 全顔 1回目 | 33,000円 |
‐ | 全顔 3回目以降 | 27,500円 |
‐ | 頬のみ 1回目 | 25,000円 |
‐ | 頬のみ 3回目以降 | 22,000円 |
‐ | 両手背 (指含む) | 25,000円 |
‐ | 両手背 (指含む) 3回目以降 | 22,000円 |
‐ | 両前腕 | 33,000円 |
‐ | 両前腕 3回目以降 | 29,500円 |
‐ | 両手背+前腕(指含む) | 48,000円 |
‐ | 両手背+前腕(指含む) 3回目以降 | 39,500円 |
‐ | 両上腕 | 33,000円 |
‐ | 両上腕 3回目以降 | 29,500円 |
‐ | 両前腕+上腕 | 55,000円 |
‐ | 両前腕+上腕 3回目以降 | 46,500円 |
‐ | 首+顎下 | 22,000円 |
‐ | 首+顎下 3回目以降 | 19,800円 |
‐ | 全顔+首+顎下 | 44,000円 |
‐ | 全顔+首+顎下 3回目以降 | 38,500円 |
ドクター施術 オーダーメイド施術 | 全顔 (しみのスポット照射、毛細血管拡張スポット照射込み) | (ナース施術価格に) +10,000円 |
オプション | ||
シミのスポット照射 | 1ショット | 2,200円 |
ドクター施術 血管腫のスポット照射 | 1ショット (6㎜大) | 5,500円 |
ドクター施術 | 鼻回りの赤み 毛細血管拡張症 | 14,900円 |
※表示金額は全て1回分の税込み価格です
※産毛に反応して、照射後の症状が強く出てしまう場合がございます。照射の2、3日前には、必ずご自身の剃毛をお願いいたします。クリニックでさせていただく場合は、剃毛料金3,300円を頂戴いたします
※3回目以降の価格は前回の施術から3か月以内に限ります。
範囲 | 価格 |
---|---|
オールスペシャルカクテル | 29,800円 |
美白 | 26,600円 |
赤ら顔 | 23,000円 |
毛穴、ニキビ | 24,000円 |
オプション | |
オールトリートメントマスク | 1,800円 |
幹細胞マスク | 2,000円 |
※表示金額は全て1回分の税込み価格です
お支払方法
当院では、下記のお支払方法が可能です。
Mastercard/など
メルペイ/au PAY/
QUICPay/ID/
WAON/nanaco/
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