乾癬について

乾癬とは
銀白色の厚いカサカサがついた赤い皮疹が全身に出る皮膚の病気です。
体の一部に出る場合もあれば、爪の変形や関節炎も伴う場合もあります。はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、うつる病気ではありません。
発症しやすい体質(遺伝的素因)にタバコ、ストレス、糖尿病、脂質異常症、肥満といった環境因子がいくつか重なると症状があらわれやすいと言われています。
乾癬の分類
尋常性乾癬
銀白色のカサカサがついた赤い皮疹が全身に出ます。
膿疱性乾癬
赤い皮疹の上に膿疱(膿をもったふくらみ)ができ、発熱を伴います。
乾癬性紅皮症
赤みが全身に生じます。
関節症性乾癬
皮膚の症状に加え、関節の痛みや変形を伴います。
外用療法、内服療法、紫外線療法、生物学的製剤などがあります。
外用療法が基本で治療が難治の場合は次の治療法を検討します。
当院で行える治療方法
外用療法

ステロイド外用薬

活性型ビタミンD3外用薬

ステロイド・
活性型ビタミンD3配合外用薬

タピナロフクリーム
(ブイタマー®︎クリーム1%)
2024年10月発売
芳香族炭化水素受容体(AhR)の活性化を介して、炎症性サイトカインの産生抑制や皮膚バリア機能関連分子、抗酸化分子の遺伝子発現を誘導する非ステロイド性、低分子のAhR調整薬です。
内服療法
患部が広い場合、外用だけではコントロールできない場合に使用します。
アプレミラスト
(オテズラ®︎)
PDE4阻害薬
乾癬の病態にはホスホジエステラーゼ4(PDE4)が過剰に発現し、その結果炎症性サイトカインが大量に産生されることが関与していると考えられています。オテズラはPDE4の働きを阻害することで炎症性サイトカインの産生量を調整して、皮膚の炎症を抑える働きがあります。
飲み始めは悪心、嘔吐、下痢などの症状が出ることがあります。
シクロスポリン
(ネオーラル®︎)
免疫抑制薬の一つで、体内で過剰に起こっている異常な免疫反応を抑える薬です。
副作用として血圧上昇や腎機能障害などが生じることがあるため、内服中は定期的な血圧測定と血液検査を行います。