やけどについて

やけどとは
やけど(熱傷)とは日常生活でよく起きる皮膚のトラブルです。
高い温度の物質が皮膚に一定時間以上接するとやけどとなります。
やけどの分類・症状
やけどは深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。
熱いものそのものの温度、触れている時間によってやけどの深さが決まってきますが、受傷直後では正確に判断できないこともあります。
Ⅰ度 | Ⅱ度 | Ⅲ度 | |
---|---|---|---|
損傷レベル | 表皮より浅い | 表皮、真皮 | 皮膚全層・皮下組織 |
見た目の症状 | 赤み | 水疱(水ぶくれ) | 乾燥(黒色、白色) |
自覚症状 | 痛み、熱感(熱い) | 痛み(損傷レベルが深くなるにつれて痛みが減少) | 無痛、感覚なし |
治癒期間 | 数日 | 1~4週間 | 1ヶ月以上 |
瘢痕(傷跡) | 残らない | 残る場合と残らない場合がある | 残る |
日本形成外科学会HPより引用・改変
Ⅰ度熱傷
表皮のみのやけどです。皮膚は赤くなり痛みを伴います。跡は残りません。
Ⅱ度熱傷
表皮、真皮まで及んだやけどです。この中でもⅠ度に近い浅いもの(真皮浅層熱傷;superficial dermal burn;SDB)と、Ⅲ度に近い深いもの(deep dermal burn;DDB)に分かれます。SDBは傷跡を残しませんが一時的に茶色い色素沈着になり徐々に薄くなります。DDBは傷跡が残ることがあります。
Ⅲ度熱傷
表皮、真皮だけではなく脂肪や筋肉までの皮下組織に及んだやけどです。この場合は治療のできる総合病院へ紹介します。

やけどの応急処置
- ただちに冷却しましょう。これにより①痛みを和らげる効果 ②熱による皮膚への損傷が深くなるのを防ぎます。
- 具体的には流水による20分以上の水冷を行ってください。
- 衣服がすぐに脱げない場合は、衣類の上から直接水道水をかけてください。
- ゆびのやけどの場合あらかじめ指輪は外してください。受傷後じょじょにむくんで指輪が外れなくなることがあります。
やけどの治療法
Ⅰ度熱傷
ステロイドの外用薬を使用します。
Ⅱ度熱傷
水ぶくれがある場合は、清潔な針でつぶします。
やけどの状態にあわせて、ワセリンや皮膚潰瘍治療外用薬、創傷被覆剤で保護します。
経過で深くなり、外用治療だけでは治すことが難しいと判断すれば総合病院に紹介します。
Ⅲ度熱傷
植皮などの手術が必要になり、総合病院へ紹介します。
子供のやけど
子供は体に対してやけどの受傷面積が大きくなり、大人より重症化するケースがあります。お子さんのやけどは未然に防ぐことが大切です。
子供のやけどの対策
- 熱湯や汁物などの高温の液体を子供の手の届く範囲に放置しない。
- テーブルクロスなどを使用しない(歩き始めの子供が引っ張る)。
- 炊飯器やポットの蒸気の吹き出し口は子どもが好奇心を示すので注意する。
- 温風ヒーターの吹き出し口に注意する。
- アイロン、ストーブなどの熱源に触れないよう配慮する。
特殊なやけど

低温やけど
低温やけどとは、短時間の接触ではやけどにならない程度の温度が、長時間接触することで起こるやけどのことです。
湯たんぽ、電気あんか、電気毛布、使い捨てカイロなどが原因となります。
低温やけどもやけどと同じ治療法になりますが、一般的なやけどと異なり、損傷レベルが深くなり治療期間を要します。